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バングラデシュの犬はどんな風に吠えるのだろう?

 バングラデシュではどこに行っても犬が居る。人ほどではないが、相当の数の犬と出会う。港でも、鉄道駅でも、市場でも農家の軒先でも、巨大なトラックやバスが行き交う幹線道路の脇でも、犬と遭遇する。我が家があり、大使館街でもあるバリダラ地区もその例外ではない。大勢の犬たちがうろついている。
 
 僕は大層犬好きだ。
 発見すると、当面の懸案はどこかに飛んでしまい、その背中やおつむを撫で、そして抱き上げたくなる。いつか必ず飼いたいと思っている。

 しかし、インドのマイクロファイナンス機関でインターンをした2007年のあの夏、いかにも柄の悪そうな人相(犬相?)の犬と目がシッカリと合ってしまったのが運の尽き、グルグルと言う凶悪な声を上げながら執拗に僕を追いかけまわしたソイツのことがトラウマになっており、残念ながら、南アジアの犬は全くお近づきになれないと偏見を持ってバングラデシュに入国したものだった。もちろん、狂犬病の予防接種もしっかり打った。

 しかし、バングラデシュの犬ときたら、なんとも気弱なのだ。たいていの犬は暑さに打ち負かされて寝そべっているか、うつむき加減且つ足早に胃袋に入れることができそうなモノを漁っている。人と目が合うと上目遣いで何度かチラ見をしつつ目を逸らす人が近付くと「ビクっ!」と身を震わせ卑屈な足取りでサッサと逃げ去ってしまう。無理も無い。ベンガル人は犬を飼うという習慣は無く、野良犬たちは、小さいころは子供たちにイヂメラレ、大きくなるとオッサンたちに棒でぶたれて虐げられているのだ。こういう様子を見ていると、バングラデシュの哀れな犬たちが不憫に思え、徳川綱吉公の気持ちが分からんでもなくなる。

    バングラデシュの犬
       ~気弱そうな潤んだ瞳で見つめるバングラデシュの犬~
  
 ちなみに、ベンガル語で犬は「ククール」と言う。気弱そうな響きがなんともフィットする。たいていの野良犬は名前など無いが、市場などで(一応)飼われている(というか、ゴミためを人間の干渉を受けることなく漁る権利を与えられている)犬の一部は、周囲の子供たちやおっさんたちから一応名前をもらっている。これまで僕が聞いたところでは、それらの犬の名はほぼ一致して“タイガー”である。嗚呼、なんて名前負けしているんだろう。

どの犬も可愛そうに埃まみれ、ゴミまみれだが、健気に生きている。そんな犬たちを見ていると、最近、ベンガル語が上達してきたこともあり、こちらの犬とも何とか会話を試みたい、との思いが頭をもたげてくる。そもそも、バングラデシュの犬はなんて吠えるんだろう?!確か英語では「バウワウ(bow waw)」だったけど…そう思いつつ、いつも美味しいエスプレッソを入れてくれる世銀一階のカフェテリアで働くラジウルに朝っぱらから尋ねてみた。

 「バングラデシェール ククール キーバベ ダケ?(バングラデシュの犬はどうやって吠えるの?)」

 彼は暫く、僕の余りに唐突な質問の意味を分かりかねていたようだが、ふと大きく笑ってこう応えてくれた。

 「Geo Geo(ゲオゲオ)」

 …

 かわいくない。

 ベンガル人の耳には犬の鳴き声がゲオゲオと聞こえるのか…ついでだから色々聞いてみよう。

 ビラル(ネコ)は?   「ミャオミャオ」

 ムルギ(ニワトリ)は? 「コッコッ」

 チャゴール(ヤギ)は!? 「めぇェ~」

 なんだかツマランな。

 うーん、
   ではゴルー(牛)は!?

   バングラデシュの牛
    
     「アンバー!!」

    ぇ・・・

 ちなみに、世界の犬たちの吠え方、というか、犬の泣き声が人の鼓膜に届き脳に認知される様は、実に様々だ。 フランスでは「oua oua ouah ouah  ウアウア 」、ギリシャでは「GAB GAB ガブ ガブ」、ドイツでは「wau wau ヴァウヴァウ」、インド(ヒンディー語)では、「Bho Bho ボー ボー」、スペインでは「guau guau グァウ グァウ 」… 

 もうこの辺で止めておきましょうか。これ以上の興味がある方は、スペインのアーティストが創られたという、「世界各国での犬の鳴き声表現がよくわかるイラスト」をご覧下さい。

 こちらは、出張中に農家の庭先であった二匹の仔犬。じゃれあう様がなんとも愛らしい。ちなみに、仔犬はベンガル語で「ククレール・バッチャ」という。

   仔犬
 


 これだけ多くの野良犬たちを日常的に目にしていると、何故日本は野良犬が居ないのかと逆に不思議に思えてしまう。日本人がベンガル人よりも犬を大切にするから?とんでもない。事実は全く逆ではないか。毎年約10万匹の犬、そして20万匹のネコがCO2によるガス殺で殺処分されているという、受け入れ難い事実を忘れてはならない。公衆衛生を維持するという名目の下、その実は人間のエゴと無責任で一日850匹ものイヌ・ネコが殺されている。

 街中にペット・ショップが溢れる日本。高価なペット服やペット・フードを与えられ家族の一員として愛されるイヌが居る影で、膨大な数の同種が自動的に殺されている国、日本。他方で、泥まみれ、埃まみれ、人間で棒でぶたれて脅されているばかりだけれど、生きる権利を犯されること無く、力強く、健気に今を生き抜く犬達が街をうろつく国、バングラデシュ。

 人間も同じかもしれない。一人当たりの国民所得はバングラデシュのそれと比べて約500倍も多いけれど、年間3万人の自殺者を出し、統計に現れるだけで約100万人の欝・躁鬱病の患者を出している国、日本。

 WHOの2011年の統計ではバングラデシュの自殺者数は19,697人と出ており、人口10万人に占める死亡要因で並べると世界で38番目(日本は10番目)と決して少なくは無いけれど、矢張り、どちらが幸せなのかと、考えてしまう。日本は、表面はとっても綺麗で整っているけれど、本当に人や生き物を大切にしている国なのだろうか。

 最後は少し感傷的になってしまった・・・ ゲオ ゲオ
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バングラデシュでの生活が織り成す物語 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2012/06/10 02:22
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