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ダッカに我が帽子を掛けるところはあるのだろうか

ダッカの大通りを埋め尽くすモノたちの列

 「住めば都」という。どんなに不便そうに見えても実際住んでみれば、なかなか居心地が良く、去りがたくなるものだそうだ。

 こんな格言で自らを奮い立たせてダッカに乗り込むexpatriate(駐在員)達の気力をそぐような統計をEconomist紙が毎年発表してくれている。題して、「World Liveability Ranking」。

世界140都市を
① 安定度(犯罪や騒乱の頻度)、
② 医療施設の質とアクセスのしやすさ、
③ 文化や環境(蒸し暑さ、食事や飲み物の質、文化やスポーツ施設の充実度など)、
④ 公立・私立学校の質とアクセスのしやすさ、
⑤ 道路や電力、公共交通機関、インターネット等の各種インフラの状況、
の5つの基準から、100点=理想的!(Ideal)、0点=耐えられない…(Intolerable)でランク付けするのだ。

 栄えある一位にはカナダのバンクーバーが二年連続で輝いている(ちなみに日本の都市では大阪がNo.10にランクインされています)。そして、われらがダッカは、二年連続のワースト2である。

「住めば都」と言うではないか。何でもかんでも数値化するのは合理的経済人の悪い癖だ。そもそも、ランキングを決定するための指標として、ダッカにとって、不利なものばかりが選択されているではないか。例えば道路ひとつをとってみても、以下のようなものを指標にすれば、ダッカは一躍世界で3本の指に入る地位に躍り出ることだろう!
☆ 一般道を走っているモノ(物・者)の種類の多さ(街中を5分程度歩いただけで見ても、乗用車、巨大なトラック、廃棄物処理場から拾ってきたようなバス、リキシャ(人力車)、オート三輪(こちらではCNGと呼ぶ)、バイク、牛、荷車、ヤギ、人(走っているバスに乗り込むために走っている)、ノラ犬などなど、まぁ10種類は軽く超える)、

そんな道路を横断するときに味わえるスリル感(歩行者用の信号機・横断歩道等というものはない。YOU-TUBE画像をお楽しみください)

☆ 路上にみなぎる活気、人や車の叫び声のボリューム
 
 実際、僕も4年前の夏、インドのハイデラバードでこうした情景に身を浸した時、その圧倒的な迫力に何か心が躍るような思いがしたし、今回同じような現象がよりスケールアップして目の前に現れているのを見て、「あぁ、またこうした場所に戻ってきた」と言う懐かしさに似た感覚を覚えたのだ。

 しかし、まだダッカ上陸後1週間しか時間が経っていないが、ある都市、あるいは国を、出張や旅行などで短期滞在することと、年単位で「住み」、「働く」こととは随分次元が違うのだ、と言う当たり前の事に、改めて気付かされつつある。

 引き続き道路を中心に話を進めると、この街の交通渋滞のすさまじさには確かに、「intolerable!」と叫びたくなる時が少なからずある。10日間や一週間ほどの旅行や出張では「目を奪われるような、あり得ない道路体験を出来ました!」で済むけれど、ここを毎日通勤する、あるいは顧客や取引先とのミーティングのために車で移動するたびに、交通渋滞はダッカの湿気と同じぐらいのしつこさで、自分の周囲にまとわり付いて離れない、となると話はかなり違ってくる。

 例えば、現在滞在しているホテルから、世銀の事務所までは距離にして10キロ。朝8:00前、未だ空いている時間に出れば車で15分もあれば楽に辿りつける(何せ信号がないのだから)。しかし8:00過ぎから始まる渋滞につかまったら最後、1時間、ひどいときには1時間半近くかかる時も稀ではない(走ったほうが速いではないか。まぁダッカの街中を走る勇気はないけれど)。

 また、現在ダッカは雨季に入り、この一週間、間断のない雨と湿った空気がダッカを包みこんでいる。低地帯にあるバングラデシュは雨季に入ると河川の増水等で国土の3分の1が水没するというが、ダッカの街中でもあちこち水没している。ただ、これは暗渠等の未整備によりちょっとした雨ですぐに道路が冠水してしまうこと、上下水道のメンテナンス不足による大量の水漏れといった人災が重なっての話らしいのだが。

 そんななか、何より驚くのは、日本だったら大雨洪水警報床上浸水でとっくに市民全員避難しているような状況にもかかわらず、ダッカ市民は、何事も無いかのように黙々とそれぞれの持ち場に向かっていくのだ。それでも、膝辺りまで冠水した道路で、大の大人を3人も乗せて自転車をこぐリキシャワラ(人力車の運転手)の苦闘振りは筆舌しがたい。そんなリキシャに、容赦なくバスや乗用車がクラクションの嵐を浴びせかけるが、残念ながら乗用車のクラクションにリキシャのスピードを上げる機能は備わっていない(車の運転手はそういう切実な思いを胸に遮二無二クラクションを押し続けているのだろうけれど)。

 洪水警報の出ない床上浸水

 
 もともと交差点を中心にすさまじい交通渋滞が常態化しているダッカの交通事情は雨の影響でさらに悪化する。今日は、世銀から10キロ弱離れたIFC(国際開発公社)の事務所で朝のミーティングをした後、世銀に戻ろうとした同僚が「2時間かかった…」と疲労困憊であった。何でも豪雨で道路が冠水し、すべての「のりもの」が客を3人乗せたリキシャと同じ速度に落ち、最後は交差点を前にして30分ほど「1ミリも」動かず車の中で軟禁状態だったとのこと。

 このようなことが常態化しているために、ミーティングやアポイントメントの設定にも、お互いにpatience(忍耐)と工夫が求められる。そう、旅人と違い「Intolerable」とゼロ点をつけて、次の町、別な国へと移っていく訳にはいかないのだ。少なくとも個人的には、そんな現実をプロとして少しでも変えようと思い、ここでしか学べないこと感じることができないことを、生活者として吸収しようと思ってやって来た訳だし、何しろ、未だ来て一週間しか経っていないのだから。

 ちなみに、英語にも「住めば都」に似た表現があると言う。「Anyplace home is where I hang my hat」…ことわざや格言ではなく、何かの歌の歌詞なんだとか。「どこだって、自分の帽子を掛けられるところがあればそこが家なのさ…」と言う感じだろうか。

 なぜ、上着を掛ける場所でも靴を片付ける場所でもなく帽子なのか、突っ込みたくなるが、兎に角、僕はこの街でしっかり帽子を掛ける場所を見つけ、そして、右脳と左脳、五感の全てを総動員して、その現実を知り、そして今の立場で自分が最も効果的にできることを模索し、実行していきたい。限られた時間の中でではあるが。だからこそ。
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バングラデシュでの生活が織り成す物語 | コメント:(2) | トラックバック:(0) | 2011/08/07 20:44
コメント:
from Sumida-ku, Tokyo
池田さん、ごぶさたしてます。

遠方よりご活躍を祈念しています☆

世界人類、地球のため頑張ってください♪

東京の下町より愛を込めて♪
コメント有り難うございます!
 Itamiさん、メッセージを頂きありがとうございます。昔頂いた「意識が変われば行動が変わり、行動が変われば環境が変わり、環境が変われば人生が変わる」は今でも大事にしている自分を繋ぎとめるアンカー(錨)のような言葉です。日本に少しでも多くを持ち帰れるように日々を大事にがんばります。

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